旅行代理店とクルーズ販売戦略

航空業界の規制緩和は、旅行代理店にも大きな影響を与え、航空料金の変動、マイレージ制度など、旅行代理店は顧客への対応に多くの時間を費やしていました。航空券販売の手数料も低下し、中小旅行代理店は経営が厳しくなっていました。

「このままでは、旅行代理店は生き残れない!」

規制緩和による混乱に対し、クルーズ船運航会社は船主協会(CLIA)を通じて、クルーズ市場の拡大に注力。新船の紹介やクルーズ料金体系、満足度などを情報発信し、クルーズ旅行の認知度向上を図りました。主要雑誌やメディアで「クルーズ旅行月間」などのプロモーションを展開し、「バリュー・フォー・マネー」を強調した旅行代理店向けの販売促進を行いました。

クルーズ料金に航空料金を組み込んだオールインの旅行商品も登場し、航空券発券業務から解放された旅行代理店は、クルーズ販売に注力しやすくなりました。

クルーズ客船運航会社は、新規顧客獲得のため、旅行代理店向けの「試乗クルーズ」を積極的に企画。旅行代理店スタッフにクルーズの魅力を体験してもらい、口コミによる情報拡散を狙いました。試乗を通じて、旅行代理店はクルーズ旅行の高い満足度を実感し、顧客への積極的な販売につながりました。

クルーズ商品は、船上での長期滞在体験という要素が大きく、旅行代理店の体験に基づく情報提供が重要でした。満足度の高いクルーズ旅行は、リピーター獲得にもつながりました。

クルーズ客船は、パンフレットなどで船の構造や客室を詳細に確認でき、ホテルと異なり事前に部屋指定も可能なため、旅行代理店にとって販売しやすい商品でした。

ラグジュアリークルーズ市場では、リピーター獲得のための顧客対応が重要であり、船上サービスや食事が差別化のポイントとなりました。高額なクルーズ料金と旅行代理店手数料の高さも、旅行代理店がラグジュアリークルーズに注目する要因となりました。

船上での次回の予約を旅行代理店手数料として還元する仕組みも導入され、予約業務の効率化も図られました。