世界最高「ファイブスター・プラス」獲得

アラスカクルーズでの処女航海に始まり、エンジン・ルームの火災などといった予期せぬ出来事もあったが、初年度の評価は、当初の目論見通りの反応であったのです。

特に絞り込んできたクルーズ 客層での評価が高く、日本郵船としても、ロサンゼ ルスのクリスタルクルーズとしても将来へ の展望への確信が持てました。

1991 年初め、ダグラス・ワードから電話があった。

自分の格付け本である「べ ルリッツ・コンプ リート・ハンドブック・トゥ・クルージング (Berlitz Complete Handbook to Cruising)」で「フ ァイブスター・プラス」という世界最高の格付けを予定していると。

今までのファイブスターを、 既存のクルーズ会社との違いを明確にする為に、クリスタル・クルーズにファイブスター“プラ ス”の新カテゴリーを設けたと言う。

日本に於いても、クリスタル・ハーモニーは、第 1 回日本造船学会「シップ・オブ・ザ・ イヤー」 を受賞した。

クリスタル・クルーズ設立からわずか 3 年後という快挙であった。
クルーズの本場ロサンゼルスで行われた、プレス関連の「乗ってみたい船」アンケートでも 1 位を獲得し、営業の初年度から、世界トップクラス の客船に躍り出たのである。

アメリカにおけるクルーズ業界やデストリビューションの中心にいる旅行代理店などに、クリスタル・クルーズの評価は 瞬く間に拡がった。

クリスタル・クルーズの初年度「格付け評価」に関して、当時の評価の一部を「輝きの航海」(佐藤早苗)から引用してみよう。

「蘇った日本の豪華客船」 世界のホテルレストランのランク付けに「ミシェラン」があるように、クルージングの世界には、ダグラス・ワードの世界の客船採点がある。

この採点は、ダグラス・ワードが個人でやっているものだが、世界的に最も権威あるものとされているのである。

ダグラス・ワードは、1 年の3 分の2 は船に乗っているというが毎年すべての客船に自ら乗って採点しその年の採点結果を本にして出版しているのです。

クリスタル・ハーモニーがデビューした一年後、その評価でクリスタル・ハーモニー は「5 つ星プラス」に輝いたのです。

戦後初めて世界の海を走った日本の豪華客船クリスタル・ハーモニー。 海国日本は生きていた事を証明した日本郵船と三菱重工のクリスタル・ハーモニー。それにしても、無から出発して、初めて作った客船がいきなりトップの座に輝くとはたいしたものです。

ダグラス・ワードの採点は、ハードとソフトとの両方がそろわなければ五つ星は得られないのです。 船のハードだけがずば抜けて良くても、サービスが悪ければ合格できないし、その反対もまた落第になりかねません。

外観、安全、インテリア、清潔、スペース、デコレーション、食べ物、寝心地、エンター ティン メイント、サービス……全て揃って最高点を獲得するのは並大抵の事ではないのです。

クリスタル・ハーモニー関係者がどんなに喜んだことか。重なる徹夜も、どんな苦労もこの評価 でだれもが報われたことであろう。 ある人がこんな事をいっていた。本当のクリスタル・ハーモニーの実力は七つ星である。

7つ星の価値があるから5つ星がもらえたのだというのである。
つまり誰が見ても、どう叩いても5つ星以下には出来ないほどクリスタル・ハーモニーは格段に優れていたと言うのだ。

実力が5つ星程度だったら日本船は、3つ星にされているはずだと言われています。

言い換えると、以下に世界のクルーズ界の中に日本が参入する事が難しいかを如実に物語っているのです。

クルーズ愛好者の人気投票で No.1 の栄誉に輝く もう一つ、クリスタル・ハーモニーに名誉なことがあったのです。

「ロサンゼルス・タイムス」紙が行ったクルーズ愛好者の人気投票で、乗ってみたい船にクリスタル・ハーモニーがトップに踊り出たのである。これは「五つ星プラス」を獲得したことと同じくらいに、嬉しい出来事です。

クリスタル・ハーモニー の噂は、じわじわと確実に、世界のクルーズ・ファンの仲間に広がっているのです。

この様な驚異的とも言える評価の秘密は、プロジ ェクトの企画力、及びリーダーシップと、プロジェクトを推進するクリスタル・クルーズの絶妙なチームワークの結果の賜物と思われます。

東京本社が考えたアメリカマーケッ トへの進出構想は、”日本に本社を置き、「環太平洋クルーズ」を企画運営する”、”アメリカはあくまでも支店で、日系企業などを対象とする集客専門会社とする”というものであったけれども、これらの構想に固執することなく、現地のこの業界の専門家集団の意見に耳を傾け現実的な対応に舵を切り、転進をすることに対して、本社が勇気を持って対応した事が、 1 年目のクリスタル・クルーズの船出の成功への道を切り開いたのです。

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