クルーズ客船は洋上の都市である

客船は輸送手段からエンターテイメントへ変貌

戦前、客船は交通手段の一つであり、タイタニック号のような純粋な客船も就航していたが、貨物と旅行者を混載する船も多く存在していました。

輸送手段としては、2地点間の輸送が重視され、船の速度が重要視され、大西洋横断にかかる日数を競ったこともあったほどです。

しかし、1960年代以降、定期船はクルーズへと姿を変え、その性格も大きく変わってきたのです。

クルーズ船は移動のための目的地がすべてではなく、乗客が長期にわたって船内に滞在し、クルージングをしながら自分たちのライフスタイルを楽しみ、大海原の自然の融合を気ままに楽しむ旅の形となったのです。

戦前の大競争のような速度優先ではなく、船上生活の快適さを優先。

その快適さのために多くの資金が投入されたのです。

新しい客船を建造する際には、船内の騒音や振動、空調や換気、船が揺れにくいことなどに最大限の配慮がなされる。この分野での技術革新は目覚ましいものがあります。

居住性と快適性を追求

新しい旅の形の開発は、客船そのものの画期的な発展と無関係ではありません。

船の運航方法も大きく変化している。IT時代の到来により、ジョイスティック(※)1本で船を操作できるようになり、さまざまな寄港地を訪れることが可能になり、目的地での観光時間の延長にも貢献するようになったのです。

※ジョイスティックとは、、、。
スティック(レバー)を傾けることで方向入力が行える入力機器の総称。航空機などへの入力機器として利用されるほか、コンピュータへの入力機器としても使用されます。

また可変ピッチプロペラなどのスクリュー、バウスラスター、ボットなどの利用も、船の運航方法を大きく変えているのです。

また、ローリングの程度に影響を与えるとしても、フィンスタビライザーなどのローリング対策が導入されれば、客船の乗客にとって快適なクルーズをサポートすることができます。

ローリングについては、特に船長付きの大型船が重要視され、最大波長を超える全長150~200m以上の船が建造されるようになってきました。多くの旅行者が快適に日常生活を送れるように、ゴミや下水などの可燃物を処理する海洋汚染防止装置が開発されているのです。

最も重要な安全装置や、どこからでも通信できるシステムを改良・拡充しました。また、船内で大量に消費される水や、温水の使用も無制限です。

海水淡水化プラント等の導入により、多くの旅行者や船内生活者に十分対応できるようになったのです。

空調などの設備の発達は、船旅の快適性にも大きな影響を与えてます。

長期滞在の旅行者がより日常的な生活を楽しめるよう、さまざまな最新設備が導入されています。

クルーズ船の乗客や船上で生活する従業員にとって、船内生活を維持するための食糧管理は最も重要なことですが、効率的な輸送方法も大きく変わりました。

多くの食材は、冷凍技術の近代化によって、船内での長期保存が可能になり健全に保管されるようになりました。

冷凍技術の発展はクルーズの発展

旅行者は日常的に使う食料を、どこにいても調達できるようになったのです。

このように空調や冷蔵技術の向上、食品の改良などが、旅客船内の限られた保管スペースに貢献しています。

洋上という制約によって、陸上ホテルの標準メニューとは異なり、船上での食事は乗客の選択の幅が広く、船内にある数百種類のレストランで様々なメニューが提供されます。

乗客が一堂に会するメインダイニングから、あらゆる嗜好に対応する複数の専門レストラン、朝の寝起きに最適なリド・カフェ&ビストロまで、幅広いダイニングが用意されています。

また、大小のシアター、ナイトクラブ、展望ラウンジ、会議室、コンピュータールーム、美容室、プール、バー、ラウンジ、カジノ、免税店など、リゾートホテル並みの公共施設を備え、エンターテインメント環境も充実しています。

また、丸窓の部屋の時代から、ベランダのある部屋も多数出現しています。バスルームにはジャグジーが設置され、ピクチャーウィンドウからは海が見えるのです。

富裕層旅行は豊富な選択肢があること

バスルームにはジャグジーがあり、ピクチャーウィンドウからは海が見え、陸上の5つ星ホテル並みの環境の中で、さまざまなサービスが受けられます。

何よりも、富裕層旅行は自由自在な旅を好み、幅広い選択肢が用意しなくてはなりません。

意外にも多忙なクルーズ船内では、一人で散歩をしたり、海風に吹かれたりして気分転換をすることもできます。

クルーズ船での旅は、クルーズ船の乗客が、生活習慣、食事、言語などが異なる外国を旅することを意味します。

船内の食文化は、乗客の大半を占める乗客の国民性に支配される傾向があります。

アメリカ人が陸路の旅行に出かけた際、例えば食文化が進んでいると言われるパリでも、そのレストランで出されるフランス料理のメニューが苦手で、どんな料理が出てくるのか不安になることも少なくないようです。

高級とはいえ、アメリカ人ゲストが主なマーケットであれば、彼らの母国で一般的なレストランで食事をするように、アメリカの日常生活で目にする食材をもとに英語で注文し、思い描いた食事が目の前に現れることに安心感を持つことができるのです。


アメリカ人旅行者にとっては、遠く離れた南太平洋や南米の船上であっても、故郷の街角で見たり食べたりするのと同じものが毎日の食卓に並ぶことが重要なのです。クルーズ旅行に憧れはあっても、船上での日常生活が非日常であることは望んでいないのです。

クルーズ旅行の魅力は、寝ている間に新しい目的地に到着し、荷解きや荷物の整理をすることなく街の風景を楽しんだ後、夕方に船に戻り、全米どこにでもある高級レストランで食事ができることです。

時には正装して、その場を盛り上げることもできます。

ディナーの後は、ブロードウェイやラスベガスのショーに似たエンターテイメントでロマンチックなひとときを楽しみ、好きな時間にベッドに入り、翌朝には新しい目的地で再出港している自分に気づくことができるのです。

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